親知らずについて

親知らずって抜いた方がいいの?

周りの人から、親知らずを抜いて大変な思いをした、という話を聞いたことがある方が多くいらっしゃることと思います。
厄介者のイメージのつきまとう親知らずですが、実際にはどのようなものでしょうか。

親知らずの形態

我々、歯科医師は、歯のことを数字の番号で呼びます。
一番前の歯は1番、その隣が2番という順番です。親知らずは前から8番目なので、8番と呼びます。
6番、7番、8番のことを大臼歯と言いますが、8番は退化傾向が強く、6番や7番の、できそこないのような形態をとることが多いです。

親知らずって抜かないといけないの?

親知らずは20歳前後で生えてくることが多いため、親知らずと呼ばれます。
一番奥の歯ですので、歯ブラシをうまく当てることが難しく、虫歯や歯周炎になりやすい歯でもあります。
患者さん自身が磨きにくい場所であるとともに、治療器具も入りにくく、治療が難しい場所でもあります。
虫歯や歯周病治療を行うにあたり、器具が入りにくい、ということは、正直なところ、治療もうまくいきづらいのが本当のところです。
たいへんな思いをして治療を行なったあげく、また虫歯や歯周病が再発してしまうくらいなら、抜いてしまいましょう、とおすすめすることが多いのも現状です。

親知らずの抜歯

上の親知らずは、よほどのことがない場合、数分で抜歯できることが多いですが、
下の親知らずの場合にはなかなか時間がかかり、大変な思いをすることが多いです。
歯を支えている骨の硬さが上とは全く異なるからです。
親知らずは、他の歯が生えて噛み合わせが確立された後に、最後に生えてくるのですが、生えるためのスペースが不足しており、手前の歯に食い込むように斜めに生えてきたり、場合によっては完全に横に向いて位置していることも、よくあります。
まっすぐ生えている場合には他の歯と同じように抜歯できることが多いですが、
完全に埋まっている場合や、斜めに生えていて一部だけ露出しているような親知らずを抜くときには、
十分に麻酔を効かせて、かぶさっている歯肉に切開を行い、場合によっては、歯の分割、縫合など、小手術を行います。
また、特に下の親知らずの抜歯を行う際に注意しなくてはいけないのが、下顎管の存在です。
下顎管には神経と血管が収まっています。
( ※色付けされた部分が下顎管。CT撮影を行うと立体的な構造を把握できる。)
抜歯に際して、歯を分割し取り出す時に下顎管を損傷してしまった場合、大量出血や、神経損傷の恐れがあります。
そのため、術前の位置関係のしっかりとした把握が必要になりますが、当院ではCT撮影を行い、事前に位置関係を把握し、入念にシミュレーションを行い、診断の精度を上げています。
(この時点で、当院での抜歯は難しいと判断した場合には、高次医療機関にご紹介差し上げます。)
抜歯後は安静にし、当日は激しい運動や飲酒、長時間の入浴を控えていただきます。
通常は3日程度、長い場合で1週間程度、痛みが続く場合があります。
その間は薬を服用していただきます。
縫合を行なった場合には1-2週間で糸取りを行います。
歯肉が完全に治癒するには1-2ヶ月かかることもありますが、歯を抜いた後に生えてくることはありませんので、その後はずっと、親知らずに悩まされることはありません。

まとめ

親知らずは痛みや炎症が起こってしまうと抜く前、抜いた後にも不快な症状が出ることが多いです。
気になる方はどうぞ、辛い思いをする前にお近くの歯科医院で検査だけでも受けてみてはいかがでしょうか。

 文責 北四番丁神田歯科

院長 神田 佳明