訪問診療の目的について
歩行が難しくなると、自然と歯科医院への通院も途絶えてしまいます。
歯科治療が必要な状態が長時間続くと、虫歯や歯周病が悪化したり、口腔周囲の筋肉が低下することで、口腔機能が低下します。
口腔機能の低下はどういった問題を引き起こすのでしょうか?
まず、口腔機能が低下すると、人間は徐々に食が細くなり、必要な栄養が不足している「低栄養状態」に陥ってしまいます。低栄養状態が長くなると、全身の筋肉量が徐々に少なくなっていき、介護が必要になったり、既に介護を受けている方の場合は、要介護度の悪化の原因になります。
また、口腔機能の低下は、体力を著しく低下させる誤嚥性肺炎のリスク因子でもあります。
(これら以外にも、まだまだ問題はあるのですが、それはまたの機会にまとめます)
訪問診療の目的は、歯科医院の受診が困難になった方の口腔機能の維持、延いてはQOL(Quality of Life 生活の質)の維持・向上です。
豊かな人生を過ごすお手伝いをさせていただきたいと思います。
この記事を書いた人:遠藤(歯学博士)
監修:院長 神田佳明(歯学博士)