アルツハイマー型認知症と歯周病について

  • 投稿の最終変更日:2020年10月28日

近年、アルツハイマー型認知症と歯周病との関連が示唆され、話題になっています。

患者さんからの質問もよく頂戴しますので、少し触れたいと思います。

 

実験モデルとしては、

多数報告されている歯周病原因菌のうち、最もタチが悪いことで有名なPg菌をマウスに投与することにより、

アルツハイマーを引き起こす際に大きな関わりを持つとされている、Aβというタンパクが産生されるというものです。

 

新型コロナウイルスの拡大により、サイトカインなどの難しい言葉も一般的になってきている感がありますが、われわれの体は、非常に複雑なメカニズムで動き、さまざまな情報伝達がなされ、結果として、さまざまな振る舞いをします。

特に歯周病細菌に関しては、近年、他の全身疾患との関連が常識になりつつあります。

 

残念ながら口腔内細菌は、完全なる駆逐が今のところは不可能です。

ただ、ご自身での毎日の正しいセルフケアと歯科医院でのプロケアで、量を減らすことはできます。

とても健康意識の高い方で、「自分はしっかり磨いているんだ」とおっしゃる患者さんでも、磨き方には個人個人の癖があり、1日3回歯を磨き、1年間で1000回以上も歯を磨いていたとしても、ずっと歯ブラシが当たっていない場所もあるものです。

 

特に歯周病は自覚症状に乏しいことから、定期的な歯科医院の受診を行い、歯周病検査やレントゲン写真読影を行うことにより進行度が測ることができます。

虫歯に関しても、小さい虫歯で痛みが出ることはほとんどありませんが、われわれはプロですので見逃しません。

 

病気にかかってしまうと、初期での発見であれば軽微な治療で済むものが、進行してしまうと治療もどんどん複雑となり、治療費も多くかかってしまい、あなたの時間も治療のために多く費やすことになってしまいます。

 

「最近、歯医者に行ってないな、特に気になることもないし。。」

という患者さんは、是非とも歯科医院の定期検診をお勧めします。

 

 

院長 神田佳明