「歯の長持ちを目指して:8020(ハチマルニイマル)と矯正治療」

  • 投稿の最終変更日:2024年9月19日

初めまして、矯正歯科医の山田です。
私が北四番丁神田歯科・矯正歯科に入社して1か月ほどが経過しました。

これまで、新しい環境に適応しながら、矯正歯科部門の整備を進めてまいりました。
毎日がチャレンジの連続で、充実した日々を過ごしています。
そして、私の入社と時を同じくして病院名に「矯正歯科」が入ったことから、今後ますます矯正歯科医としてみなさんのお役に立つために頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

さて当院では、「歯と口腔内の健康をできるかぎり長持ちさせるお手伝い」のため、各専門分野のエキスパートが連携して日々の診療を行なっています。
それは矯正歯科も例外ではありません。

正しい歯並びや咬み合わせが「歯の長持ち」に大切であるというデータがあります。皆さんは「8020(ハチマルニイマル)運動」をご存知でしょうか。

これは、1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推奨している啓蒙活動で、生涯にわたって自分の歯で食事を楽しむために、80歳になっても20本以上の歯を保とうという運動です。
また、8020達成者は非達成者よりも生活の質(QOL)を良好に保ち、社会的意欲があるという調査結果があります。
さらには、残存歯数が多いほど寿命が長いという報告もあります。
そして、8020達成者の咬み合わせの状態を調査した報告では、8020達成者の約85%が良い咬み合わせ(正常咬合)であること、咬み合わせが悪い状態(不正咬合)は達成率が非常に低いこと、さらには、不正咬合のうち、開咬と反対咬合では8020達成者が一人もいないという結果でした。

つまり、生涯にわたって歯を長持ちさせるためには、不正咬合を改善することが大切なキーポイントの一つだと考えられるのです。
矯正治療が、ブラッシングがしやすいキレイな歯並びと、食事がしやすい機能的な咬み合わせに整えるのはもちろんのこと、「歯の長持ち」にも貢献できるなんて本当に嬉しいことです。 ちなみに、矯正治療に年齢制限はありません。
歯と歯ぐきが健康であれば、基本的には何歳でも受けることができます。

ただ、年齢を重ねると全身的にも歯科的にも健康上の懸念が増えるため、早めに矯正治療をご検討されることをお勧めします。
北四番丁神田歯科・矯正歯科では、様々なタイプの歯並び咬み合わせにも、専門的な見地から、最善の方法で矯正治療を幅広く検討することが可能です。
そして、各治療分野のエキスパートの歯科医師や、口腔ケアのエキスパートである歯科衛生士、さらに全てのスタッフと密接に協力し合い、皆さんの健康づくりに力を尽くすことが出来ることが当院の最大の強みです。

歯並びや咬み合わせが気になる方はもちろん、歯を長持ちさせて生涯にわたって食事を美味しく楽しみたいと考えていらっしゃる方は、ぜひ一度ご相談いただけますと嬉しいです。

(参考資料)
宮崎ら:8020 達成者の口腔内模型 および頭 部X線規格写真分析結果について、日矯歯 会誌,60 (2):118~125, 2001.
竹内ら:Dental Prescale®を用いた8020達成者の咬合調査、歯科学報, 105(2): 154-162
日本歯科医師会ホームページ
8020推進財団ホームページ