マウスピース矯正の懸念点とは?

  • 投稿の最終変更日:2024年10月15日

こんにちは、矯正歯科医の山田です。

 

矯正治療をご検討されている方の中には、

「矯正はしたいけれどワイヤーの装置はイヤだなぁ」

とお考えになる方もいらっしゃるのではないか思います。

 

しかし、ここ10年で矯正歯科を取り巻く環境も大きく変化しました。

 

その一つがインビザラインに代表されるマウスピース型矯正装置の進化です。

さらに、近年までインビザライン社の一強時代が続いていたマウスピース矯正も、最近は複数のメーカーから続々と新しいマウスピース型矯正装置がリリースされ、まさに百花繚乱の様相を呈してきました。

 

なぜこれほどまでに急速にマウスピース矯正が普及したのでしょうか?

 

その要因は複数あると考えられますが、やはり何といっても冒頭の様な考えをお持ちの方のニーズに応えることができたからだと思います。

また、マウスピース矯正の技術的な成熟によって、かつては難しいとされてきた咬み合わせの改善の精度が向上したことも大きいでしょう。

 

しかし、急速な普及による懸念もあります。

 

それは、治療を提供する側の歯科医院にとってもマウスピース矯正を導入するハードルが低いことから、矯正歯科医に限らず、臨床背景や経験、知識、スキルなどが違う様々な歯科医師も手掛ける様になったことです。

 

そのため、確かにどの歯科医院でも気軽に矯正治療ができる様になった訳ですが、残念ながら治療結果が伴うかどうかは別の問題であると言わざるを得ないのです。

 

マウスピース矯正とワイヤー矯正、どちらも矯正治療を行うための手段に過ぎません。

つまり、不正咬合(歯並びや咬み合わせが悪い状態)を治療するという矯正治療としての本質は変わらないのです。

 

安心の出来る矯正治療を提供するためには、歯科矯正学の専門知識やスキルを身につけていること、適切な診断がおこなえること、治療のあらゆる局面で適切な判断が出来ること、想定外の事態にリカバリーができること、これらを高いレベルで備えている必要があるでしょう。

そうでなければ、責任を持って治療を提供することは困難であると私は考えます。

 

では、歯科医院を選びはどうしたらよいでしょうか。

 

SNSやインターネットには玉石混淆の情報が溢れていて、正誤の判断は極めて難しいのが実情です。

その様な中で、学会が発信している情報は一つの目安となるでしょう。

また資格面から言えば、最新のスキルを学び続けていることが最低条件として、日本矯正歯科学会の認定医や臨床指導医、また新しく発足した日本歯科専門医機構の専門医が常勤で勤務しているかどうかが一つの目安となります。

学会ホームページでも検索可能ですので、ぜひご参照ください。

日本矯正歯科学会ホームページhttps://www.jos.gr.jp

日本歯科専門医機構ホームページhttps://jdsb.or.jp/